自慢じゃありませんが、舞妓が好きすぎて色んな本を読み漁ってきました
そして、実際にどっぷりと祇園でその世界に入ってみてオススメの書籍を紹介します
紹介するポイントとして、書籍と現実がかけ離れていないことです
単なる客寄せや好奇心で書いているのではなく、花街に愛され、花街の世界に入ってリアルに描かれているものをご紹介します
「Geisha 芸者-ライザと先斗町の女たち」 ライザ・ダルビー著
アメリカの人類学者 ライザ・ダルビーが書いています
人類学者というだけあって、観察がより繊細でおもしろおかしくかかれたものではなく、忠実に再現されています。
1975年スタンフォード大学大学院時に来日し、先斗町で「市菊」という名前で芸子デビューしています
当時、外国人が花街に入るのにはよほどの苦労があったことでしょう
先斗町という町だからこそ受け入れられたかもしれません
祇園のお茶屋の女将もこの本は忠実にこの花街という世界を描いていると太鼓判をおしていました
また著者は「さゆり」という芸者を舞台にした映画の文化監督も務めています
「京まんだら」瀬戸内寂聴著
祇園の花街を舞台にした本です
著者の瀬戸内寂聴さんは、舞妓の魅力にとりつかれ、この小説を書くために自腹を切って何度もお茶屋を通いました
何度もお茶屋を足を運ぶことで、祇園の酸いも甘いも描くことができました
当時は寂聴さんと仲が良かった3人の舞妓さんがモチーフになっていると言われています
その方々はお亡くなりになっています
戦後すぐの花街が舞台になっており、まだ粋な世界が色濃く残っています
花街全盛期の大変賑やかだった時代です
今では寂聴さんはあの当時の粋な花街の姿を名残惜しんでいます
小説なので、物語としても面白く、花街を知るのにはお手軽な本だと思います
舞妓の髪型ー京・先斗町 石原哲男著
唯一無二の男性の髪結師 石原哲男さんが未来へその技術を残すために出版した本です
髪結師は女性ばかりですが、石原さんは男で髪結師となり、芸子や舞妓の髪型のみではなく、あらゆる日本髪を結うことができます
日本で石原さんしか結うことのできない髪型もあるほどです
血を吐く努力でその道を築かれた石原さんは髪結い協会に所属することなく、一匹狼で祇園で髪結師として働かれていました
美容室やまとは閉店して、晩年は縁のあるお客を自宅付近で結っていました
男性なので力が強く、髪がひっぱられるのを気にされる方もいますが、その出来栄えは他では真似できないほどの美術品で、常連客は多かったです
メディアに露呈し、流され、メンツ、表面を重視する昨今の花街ですが、そういった姿を卑下した石原さんは本当の職人でした
祇園を愛し、花街の変貌を見届けた男性髪結師です
最近の本は、売上重視で内容の薄いものが多いですが、ここで紹介した本は花街で働いている人間でさえも勉強になるものばかりです